あと20回しかない

還暦×環島〈台湾一周〉(1)台湾到着の日、花蓮で地震が起こった

前回からつづく

 東横INN成田空港新館に前泊して迎えた朝です。

 4月3日、9:20成田発のJetstar GK13便に乗りました。

 2時間50分のフライトで12:10台湾桃園空港に着きました。到着後最初にしたのは台湾ドルへの両替です。この日のレートが0.2021でした。たいぶ円安が進行していますね。

 空港の通路にはTaiwan the Lucky Landキャンペーンの抽選会場があります。事前に登録しておけば5,000NT$が当たるチャンスがあります。「ほとんどの人は当たる」とか「最初に落ちてくるピースを押せばいい」とか諸説ありましたがハズレてしまいました。こんなところで運を使い果たすわけにはいかないのです!(ヨカッタヨカッタ)

 私はいつもスマホを2台持っています。旅行にも2台のスマホを持っていきました。サブのスマホにはデータ通信のみのSIMを日本国内で事前にamazonで買いました。メインで使うiPhoneには現地空港で調達した中華電信のSIMでこちらは電話もできます*1。こちらは30日間で1,000元でした。

 SIMを入れてインターネットがつながり、FBにドヤポストをしたとこで意外な返事が返ってきました。「え!? 台湾大丈夫?」

ja.wikipedia.org

 twitterを検索するとビルが倒壊し、震えるような光景が広がっています。やべえ、俺の環島オワタ\(^o^)/

 ぐるぐるいろいろな考えを巡らせながら、桃園から台北駅まで地下鉄に乗りました。

 街の様子も車内も至って平穏です。車窓からは田植えを終えたばかりの田園が広がっていました。

 ふと時計を見ると14時近い。おなかが空いていることに気がつきました。台北駅の台北地下街で魯肉飯と滷蛋をいただきました。

 このお店、奇しくも台湾グルメのゾロさんが紹介なさっていますね。台北地下街の様子もこの通りです。お店の店員さんは少し日本語まじりで対応してくれて、ちょうどこんな感じで注文できます。私が行った時も魯肉飯の小椀が40元、滷蛋が15元でした。

 今夜の宿は兄弟大飯店(ブラザーホテル)です*2。最初の1泊目だったのでちょっと贅沢しました。

 一流ホテルあるあるですが、兄弟大飯店館内にはコインランドリーがありません。歩いて7-8分くらいのところにコインランドリーはありました。台湾の人はコインランドリーを頻繁に使うらしく、小さな街にもコインランドリーがあります。Googleマップで「自助洗衣店」と検索すると出てきます。洗剤は自動投入されるお店と「洗衣精」と書かれた洗剤の自販機があるお店があります。すべての機械は10元コインしか使えません。100元札が使える両替機がある場合があります。

 いよいよ満を侍してホテルのすぐそばにあるジャイアントストア台北南京店へ。そこには注文したバイクが組み上がって私の受け取りを待っている、はずでした。しかし、店員さんに尋ねるとバイクはないと言います。年初から20回以上メールをやりとしていましたが、どうやら在庫確認だと思われていたようです。メールを再度確認してもらって笑い合うふたり。店員さんはあちこちのジャイアントストアへ電話をかけまくってくれて、実機を手配してくれました。19時までに渡せるとおっしゃっていただいて、実際19時に受け取れたんですからたいへんラッキーなことでした(ここでラッキーが使えてよかった)。日本から持ち込んだBROOKS C17サドルやツールキットを入れたサドルバッグを取り付けて完成です。

 バイクも無事に手に入ったことだし、コンビニで買ったチートスをつまみにストゼロを飲みながらぼんやりTVを見ていました。メインは地震関連のニュースですが「ポポポポーン!」とも言っていませんし、インタビューされている花蓮の人々はわりとヘラヘラしています。こういう時、日本だとすべての人が深刻な面持ちになるものですが、そういう国民性なのかもしれません。「日本だったらtwitterでぶっ叩かれてるな」なんて思いながら見ていました。台北市内は平穏そのものだし、TVも深刻さが欠けています。もしかしたら重大な被害が広範にあったわけではないかもしれないのかもしれないと少し感じました。

 後日、TVを見ていたら私と同じ飛行機に搭乗していた帝京大チアリーダー部のみなさんのニュースが流れていました。Jetstarの機内アナウンスで機長が「大会頑張ってください」って言っていました。

news.tvbs.com.tw

台北市観光

 台湾に着いた翌日にすぐ環島を開始するのではなく、予備日を1日入れて台北観光にあてようと考えていました。地震の影響について日本語の情報*3がありませんし、正確な規模も情報もわかりません。ひとまず、実質的な日本領事館機能を持つ公益財団法人日本台湾交流協会へ出向いて直接聞いてみよう。さらに台湾観光局にも行って情報収集の日にしようと思いました。しかし、4日は晴明節(先祖供養の日)、5日は児童節(こどもの日)の振替で木曜日から日曜日まで公的な機関はほぼお休みでした。日本台湾交流協会の警備員に「今日は休みだよ」と言われてがっくりです。

 気を取り直して新車のシェイクダウンを兼ねて国立故宮博物院に行くことにしました。2014年、上野のトーハクで長い行列にめげずに見たことがありますが、台湾有事が噂されている今台湾でもう一度見ておきたいものです。故宮博物院のWebページには必見ルートが案内されていて、説明文を見ながら圧倒的な宝物感を満喫しました。時間が溶ける、眼福。

 S主席のキーホルダーになる前に...

 今夜のホテルは中心的な繁華街の近くにある芸宿商旅台北館(イースーホテル)でした*4

 ブラザーホテルからこのイースーホテルまではバスで1本です。台北市内はバス路線が縦横無尽に走っていて、Googleマップの案内で最短のルートを示してくれます。バスは市内15元と安価で、悠遊カード(台湾のプリペイドカード)を使ってスマートに乗り降りできます。注意することとして、停車時間が短いので降りたい停留所が近づいてきたら出口付近まで移動しておかなければならないことです。台湾の人は案外せっかちですよね。

 台北に限らず、台湾には街中にベンチがあります。もちろん、日本みたいな意地悪じゃないベンチです。台湾の人々はいつもベンチに座り思い思いの時間を過ごしています。わたしもホテル前のベンチでストゼロを飲みながらバイクのメンテナンスをしました。

 メンテナンスをして初めて気がついたんですが、チューブのバルブが米式バルブです。街ゆく自転車を観察すると多くが米式バルブでした。台湾はオートバイ社会なので、オートバイと共用の空気入れが使える米式バルブが主流なのではと推測します。おそらく少し高価なロードバークなら仏式バルブになっているでしょう。

 飲みながらメンテナンスしてたら通りがかりのおじさんに「いい自転車だね、いくらした?」みたいなことを訊かれて「8,000元だった。台湾の国民バイクとてもいいですね」って応えたら「made in CHAINA」って… お、おう


 地震の状況はいまだつかめないままでしたが、桃園空港近辺も台北市内も平穏な日常のままでした。台湾の西側は平地で人口密集度も高い街が続いています。「行けるところまで南下して、ダメだと思ったら引き返せばいいか」てな楽観的な観測をしていました。高雄まで行ければ日本台湾交流協会の高雄事務所があるし、連休も終わっているでしょう。行けるところまで行こう、これが私の旅の出発点になりました。

明日へつづく

 

*1:中国語がわからないので電話なんか使わないという割り切りもできますが、ホテルのチェックインや両替時に台湾での電話番号を聞かれますし、万一の緊急通報のための手段として電話番号があったほうが安心です

*2:ホテルについての情報や感想についてはGoogleマップのクチコミに書きました。他のレビューアの口コミも併せて参考にしてください

*3:ホテルのケーブルTVには日本のNHKなども含まれていますが、海外のニュースであるためおおまかなことしか伝えられていませんでした。

*4:ホテルについての情報や感想についてはGoogleマップのクチコミに書きました。他のレビューアの口コミも併せて参考にしてください