あと20回しかない

還暦×環島〈台湾一周〉(0)還暦だから台湾を一周してみようと思った

 環島〈台湾一周〉が台湾で流行っていると知ったのはいつだっただろう? 環島(ファンダォ)とは台湾島の周囲約1,000kmを自転車または徒歩で一周することです。2007年に公開された台湾映画『練習曲』で聾者の青年が自転車で台湾一周をするロードムービーがきっかけで台湾国内で大きなブームになりました。台湾にある世界的な自転車メーカーであるGIANTの働きかけで「環島1号線」が整備され、経営者が何人も環島を成功させています。

 極私的なことですが、わたしは今年60歳(還暦)になります*1。趣味としてロードバイクに乗り始めたのが50歳の時でしたから、今年でちょうど10年になります。こういう年になにかそれらしい自転車旅をしたいと思っていました。直接のきっかけはYouTuberのけんたさんが昨年11月に行った環島の動画を見たことでした。YouTubeだけでなく、Webサイト上にはYouTubeの動画とともに、ルートデータ(GPX)のダウンロードもできました。この動画を見たことでそれまで漠然と考えていた台湾一周という夢が一気に現実化したといえます。

discover-ride.com

プラン

 1,000kmといっても厳しいヒルクライムが続くわけじゃなさそうだし、宿もないような無人地帯がずっと広がっていることもなさそうなので、人並みに10日前後で一周できるだろうと思いました。久しぶりの海外旅行だし、ちょいちょい観光を挟みながら20日くらいのゆっくりとしたプランを立てて航空券を手配しました。時期的には平均気温が25度前後で雨も少ないと言われている4月くらいにしました。

 自転車についてはまずレンタルを考えました。1日あたり600〜1,000元*2程度するようで、2週間借りるとしたら新車が買えてしまいます。事前予約も必要です。なんなら新車を買っちまうか、還暦だしな。2022年に四国を走っていた時のスポーク折れトラブルがトラウマになっていて、街の自転車屋さんで修理のできるツーリング車が欲しいと思っていました。何より、台湾の大衆車で環島するのは台湾に対する敬意を表しているように感じました。初めての飛行機輪行にも挑戦してみたかった。傷などに気を遣う*3ロードバイクではなく大衆車だからこそ飛行機輪行というリスクが取れると思いました。LCCでは布製の輪行袋による預け入れ荷物は難しいようですが、JALならばオウンリスクで預け入れできそうだと電話などでも確認できました。羽田まで飛行機輪行できれば、荷物だけを宅配便で送って自走して帰ろうなどと思っていました。

準備

 以前、夫婦で上海へ出かけた時には上海に住む友人が食事から何からすべて手配していただいたため、中国語を一言も喋らずに済みました。しかし今回はそんなわけにいきません。20日あまり中国語どっぷりになるはずです。かといって、これから中国語の基礎から学ぶには時間がなさすぎます。YouTubeをいろいろ見て回って以下の2本の動画がとても参考になりました。

 バイクについては台湾の大衆車GIANT ESCAPE R3と決めていました。注文する店舗は台北市松山空港の近くにある捷安特 台北南京店です。年明けてすぐにメールでバイクの注文をしました。何回かメールのやりとりをするうちに「あなたの希望するバイクはない」という返事が返ってきました。そしてGIANT台湾のWEBページ示されました。

www.giant-bicycles.com

 まったく知らなかったことですが、GIANTは日本と台湾ではフレームの大きさも違うし、パーツも違うし、カラーリングも違うのです。日本のGIANTショップでESCAPE R3のSサイズを試乗して「ちょっと小さいかな」と思っていたので、台湾のMサイズはちょうどいい大きさだと思いました。変速のシフターがShimano ST-EF41で、日本のMICROSHIFTよりもスムーズな変速ができました。

 バッグはいつも通り、リアキャリアに架けられる20Lのパニアバックが2つと20Lのリュック、貴重品などを入れるウエストポーチです。日野市のリサイクル品売り場に出されていたスーツケースを2,000円で買ってパニアバックなどなどを入れました。

 あとはここに持ち物リストをすべて挙げると親切なんでしょうけれど長ったらしいので持っていってよかったものだけを箇条書きにします。

  • ネックスピーカー:スマホとBluetoothで繋いで、疲れてきたら音楽を流しています。
  • サプリメント:鉄剤ビタミンB製剤。両方とも日常的に飲んでいます。
  • 虫除け:サラテクトおすだけベープ。まだ4月なのに蚊や虫がたくさんいます。おすだけベープは殺虫剤ではなく「防除用医薬部外品」なので飛行機への持ち込みが許されています。
  • 日焼け止め:クリームスプレー。台湾は4月でもかなり紫外線が強いです。クリームは出かける前に、スプレーは途中の追いがけに使います。
  • マイナンバーカード:万一、パスポートを無くした時に再発行がスムーズにできます。パスポートとは別の場所に保管しました。
  • ポケットティッシュ:台湾の公衆トイレにはトイレットペーパーがほぼ備え付けられていません。自販機があるトイレもありますが、小銭でしか買えません。
  • 環島Tシャツ:SUZURIで見つけて買いました。

※ちなみに、チェーンルプなどのオイル類は飛行機に持ち込めません*4。CO2インフレータとボンベは預け入れ荷物に入れられます。

出発

 往路は出費を抑えるためLCCのJetstarで成田発にしました。フライトは9:20でしたが、ラッシュと重なってトラブルになると面倒なので東横INN成田空港新館に前泊することにしました*5。4月2日、うちの目の前にある公園の桜はほぼ八分咲きです。

*1:このブログを書いている4月下旬時点ではまだ59歳です

*2:2024年4月の為替レートが1円≒0.2NT$なので、1,000元だと5,000円くらい

*3:うちのEXRはそもそも気にしていませんがw

*4:自転車を買ったGIANTショップで買いました

*5:ホテルについての情報や感想についてはGoogleマップのクチコミに書きました。他のレビューアの口コミも併せて参考にしてください