あと20回しかない

なんちゃってお遍路さん(9)内子〜松山

 前日からのつづき。

 10月21日(木)晴。1.5m/sくらいの西よりの風。大洲の最低気温10.5℃、松山の最高気温24.3℃。9時間55分(バイクタイム5時間22分)91.8km。累積標高1693m。data

 何日か前から朝の最低気温は10度前後でめっきり寒くなってきました。一応、ウインドブレーカーの用意はあるものの小一時間も走れば暖まるので悩ましいところです。この日は累積標高が1693m登りました。自宅から奥多摩周遊道路をぐるっと1周すると1630mくらいなのでそれよりも登っていることになります。斜度はそれほどキツくないので負担はだいぶ軽いです。

 意識と値段だけが高い宿の居心地が悪くて、ぐっすり眠れないまま6:40には宿を出ました。山間から差し込む新鮮な朝の光です。

 国道380号線の小田川を挟んで、内子町立の小田幼稚園、小田小学校、小田中学校。モダンな校舎だなあ。

 国道380号線、トラックがけっこう行き交っているものの、登りながらどんどん道幅が狭くなってとうとう田舎道っぽい風情がでてきました。こ、この道で合っていますか? Google先生?

 トンネルをいくつか走っていて気がついたことがあります。外は10℃前後で結構寒いのに、トンネルの中は生暖かい。往来の多い道路なら車の排気熱もあるんでしょうけれど、それほど多いとは思えません。さらに、外気とそんなに変わらないトンネルもあるのです。排気設備の有無かなあ? なんだろう? 写真は国道380号の真弓トンネル(710m)です。このトンネルは寒いトンネルでした。

 国道でヒッチハイク。「あたしをどこか遠くまで連れて行って」と手を伸ばしている。

 クマ飛び出してきたらヤダ、あたし吹っ飛ばされちゃう!

 第44番札所 菅生山 大覚院 大寶寺、ご本尊は十一面観世音菩薩。

 大寶寺山門横の岩清水。

 ラァラァァーーーーァッ!!!!! って思ったら、きららだった。さーせん。

 第45番札所 海岸山 岩屋寺、ご本尊は不動明王。

 とにかく参道の登りが厳しいです。ちょっとした山登り。参道の脇に無数のお地蔵さんがいました。

 参道の入り口あたりの売店で食べた芋のお菓子(なぜか九州名物)がこの日のお昼ご飯でした。

 岩屋寺ふもとの直瀬川の清流と古岩屋トンネル。

 今回、ルートを作らずにGoogleナビを使って走っていました。クルマ経路で「高速道路・有料道路を使わない」を選んでいたにもかかわらず左折して三坂道路(無料の高速道路)を示されました。ああ、曲がりたい。

 UOY KMAHT

 この辺は冬になるとスキーができるほど雪が積もるんだね。

 フッ、また余計な峠を登ってしまった。

 フォーーーォッ! 眼下に広がる松山市内と瀬戸内海! 峠のご褒美だ!

 第46番札所 医王山 養珠院 浄瑠璃寺、ご本尊は薬師如来。

 永き日や衛門三郎浄瑠理寺 子規

 第47番札所 熊野山 妙見院 八坂寺、ご本尊は阿弥陀如来。

 お遍路の誰もが持てる不仕合 (森)白象

 山門にいたネコ。おそらく炎症で目ヤニがひどい。痩せて震えていた。何もあげられない「ごめんね」というしかない。

 八坂寺の境内には自転車ラックがあった。ほほう。

 かわいそうなネコといちゃついていたらもう16時。ネコもあたしも今夜の宿がない。いそいであちこち電話をかけて探すけれど、近くの宿はどこもいっぱいでした。夜は10℃くらいになるはずで野宿はできないだろう。

 浄瑠璃寺の門前にあった長珍屋という遍路宿(?)は最初に電話した時に「部屋は空いているが夕飯の材料がなくて用意できない」とのことだったので他の宿を当たっていました。しかし他もぜんぜんなくて時間だけが過ぎて行き、「夜になったら5km先のコンビニにご飯を買いにいくか」と諦めて長珍屋に再度電話したところ「他のお客様とは少し内容が変わってしまうが、ありあわせでご用意できます」と言われご厚意に甘えさせていただきました。もう17時近くなっていて暗くなる前にホテルに入れて、ただただ感謝です。

 自転車は裏の駐車場に置かせていただきました。コインランドリーは5-6台あり。大浴場あり。(前泊と違って)お部屋に鍵もかかります(タオルもあります、嬉)。夕飯も天ぷらが唐揚げに変わったくらいで、ほとんど遜色ないものでした。お刺身にはマグロも入っていたんだけど、食べちゃったあとでした。

 食事をした宴会場(?)の床間にはお遍路の掛け軸が飾ってありました。たまにこれを持って廻っているお遍路さんを見かけましたがこうなるんですね。結構立派だなあ。こちらのお花はおしきみですね。

 長珍屋の廊下にあったお遍路560回まわった福田さんの新聞記事がありました。その下に653回(89歳)の納め札が! すごいね。

 山登り・ダウンヒル怖かった。生きて暖かい布団で眠れることに感謝しながら、翌日へつづく。