あと20回しかない

お遍路さん結願編! もうなんちゃってなんて言わせない(12)自転車で旅行するということ

…前日からのつづき

 岩国プラザホテルさんではフリーの朝食サービスをやっていましたが、お遍路タイムにすっかり慣れた身体は4:30には目が覚めてすぐに朝食です。

 朝食を食べ終えたら朝日がのぼってきました。今日も走ったことのない道を走ります。それは攻略法のわからないゲームにも似て、おらワクワクしてきたゾ!

 5月22日(月)晴れ。早朝は1〜2m/sくらいの北寄りの風。昼ごろは3〜4m/sくらいの南寄りの風。午後から次第に3〜4m/sくらいの北寄りの風。岩国市の最低気温14.8℃、防府市の最高気温27.3℃。9時間54分(バイクタイム7時間23分)129.83km。累積標高177m。data

 岩国市の今津川と門前川です。トラス橋は山陽本線。今日もよろしくお願いします。

 海沿いを走る国道188号線とJR山陽本線はときどき交差しているためになんだか無用に登ったり降りたりしています。どっちかを走ることにならなかったのかな? 

 周防大島に架かる大島大橋。こんなにおだやかに見えて潮の流れは急で橋の上から渦潮がみえるそうです。

 南周防大橋の歩道に埋め込まれた地元小学校の卒業プレート「夢」。5〜6m間隔で40〜50枚くらいあるんじゃないかな。これ、微笑ましいだけじゃなくて毎日誰かに踏みつけにされちゃうわけで、アイデア出した人は想像できなかったのかな? もし自分の卒業の寄せ書きが衆目に晒されて残されると考えただけでもイヤなのに、う〜〜ん。

 朝、少し走ると中学生の登校と時間が被ります。四国も含めてこちらの中学生の多くが自転車通学です。子供が少なくなって学校の統廃合が進んでいるのかもしれません。まず驚いたのはここら辺の中学生たちはかなり大袈裟な反射服を着ています。なんだなんだ、帰りに工事のバイトでもやるのか? そしてお決まりのわざとダサいドカヘル。きっと「スポーツ用のヘルメットなんか被ったら不良になっちゃう」と信じられているんでしょう。しかもよく見るとどの自転車も同じ自転車です。前カゴの形が違うくらい。学校指定で決められているんだろうなあ。自転車屋さんとの利権を疑ってしまうような光景です。制服も自転車も同じスタイルの中学生の自転車が何十台も細い歩道を爆走していました。ぼくはファンキーモンキーに荒れていた70年代後半から80年代前半にかけて中学高校生だったので、管理教育のつらさ馬鹿馬鹿しさ人を人とも思わないやり方を知っています。もう中学生なんだから自分の頭で考えて自分のリスクで物事を選択する練習をしなければならない年齢です。厳しい言い方かもしれませんが、そういう練習ができていない人は誰かに命令されないと考えることすらできなくなってしまう。自分の頭で考えることがまったくできなくなってしまう。マスクをつけていいか外していいか、政府の偉い人に決めてもらわないと自分で決められなくてパニックになっちゃったりするわけだよなあ… と、おじさんの余計な小言を誘発してしまい老害をこじらせてしまうのでした。

 ちょっときれいな風景でも見て落ち着こう。光市のちょっと手前。住んでる人がいないからプールみたいに海が澄んでいます。夜はきっと満天の夜空に遠く小島の灯りがちらちらするのかな。

 美しい松林が続くなあ、と思っていたら海水浴場でした。室積海水浴場といってキャンプもできるみたい。

 光市の島田川に架かる千歳大橋から。

 お昼ちょっと早いけど丸亀製麺でした。安定のおいしさ。

 このあたりの国道2号線には横断歩道がほとんどありません*1。代わりに歩行者は地下通路を通って横断しています。車椅子の人は国道2号線を渡るのにかなり遠回りをしなければなりません。

 尾道から西、下関に至るまで、自転車が幹線道路の車道を走れるようにはデザインされていません、1mもです。ドライバーの心理も同様で「チャリカスは歩道走ってろ!」みたいな声なき罵声がガンガン聞こえてきます。めっちゃ幅寄せされますし、追い抜き直後に左折みたいな嫌がらせを受けます。ウインカーを出さないドライバーが多いのも驚きました。

 自転車で車道を走らない人はわからないかもしれませんが、クルマから幅寄せされるというのはすれ違いざまに赤の他人からいきなり殴られるのと同じくらい理不尽で恐怖を伴う行為です。何か個人的な恨みでもあるのか、ちょっと怖がらせてやれと思うのか、あるいは自動車教習所に行っていないかのいずれかです。

 そして今後どんなに自転車や自動車のマナーアップ叫ばれようとも、エコなモビリティが注目されまくったとしても、自転車で車道を走る人が多数派にはなりません。お互いの立場は理解されることなく危険行為は続けられるでしょう。ぶつ切りの自転車専用通行帯みたいな、自動車を優先するための何かの言い訳みたいなトンチンカンな道路デザインもなくならないでしょう。日本の(特に田舎の)道路では「自転車は歩道を走るモノ」という間違った習慣が染み込んでいます。

 自転車で旅をするのは本当に素晴らしい経験です。電車やクルマからは見られない風景が見え、風や匂いを感じ、自分の身体ひとつで自然と向き合って旅行ができるなんて想像しただけでワクワクします。しかし、自転車に正しく乗れる人はほんのひと握りでしかありません。自転車の車道走行を許容するドライバーもひと握りしかいません。

 防府市の佐波川に架かる佐波川大橋からみる山陽本線。

 国道2号線を避けて走りながら、周防往還自転車道という道を偶然走りました。のんびりとしたよいサイクリングロードだと思います。こういう道がないと山口のローディのみなさんは国道2号線で休日を過ごすようになるからでしょうw

 ガマの蒲、ひさしぶりに見ました。無限にもこもこがでてくるやつです。

 新山口駅。そうそう、新山口の南口から北口へ行くのにめっちゃうろうろしました。駅の西側にある陸橋が封鎖されていました。すぐ東側の脇から渡る歩行者通路を押して北口へ渡りました。

 今夜の宿は新山口駅北口前のコンフォートホテル新山口です。清潔で必要十分な設備のあるホテルでした。自転車を停める場所はありません。雨が降ってきたので、エントランスのホテルのレンタサイクルがある場所に停めさせてほしいとお願いしましたが、裏手の階段下に案内されました(地球ロックはできません)。フリーの朝食があります。

 徒歩5分以内の場所にコープここと小郡店があり、夕食の調達ができました。

(自転車で旅を続けられることに感謝しながら)明日へつづく…

*1:大きな交差点でもひとつしかないことが多いです