あと20回しかない

なんちゃってお遍路さん(2)田井ノ浜〜室戸

 前日のつづきです。

 10月13日(木)晴。10m/sくらいの東寄りの風。日和佐の最低気温18.6℃、室戸の最高気温22.6℃。7時間18分(バイクタイム4時間28分)105.25km。累積標高662m。data

 朝ご飯をたらふく食べて出発しました。思えば、朝をちゃんと食べたことで後々たいへん助かりました。

 7:40ごろに出発しましたが、宿を出たところですでにこの風景です。太平洋に朝日が輝いてきらきらしています。

 前日の夜、facebook上に「お遍路行くですか?」と友人から問われました。

 この旅はノープランな上にわたしのスケジュールも空いたままです。それから、現在闘病中の友人の快癒を祈りたいという気持ちもありました。第1番札所から廻っているわけではないので途中からになるし、この旅の中で結願しないこともわかっていました。それでも、行けるところだけでも廻ってお参りしてみようではないか! ということで、スタンプ帳ゲットだぜ!

 最初にお参りしたのは第23番 薬王寺です。ご本尊は厄除薬師如来。なんちゃってお遍路さん爆誕です。

 薬王寺を出て少し山間にさしかかった時に出てきた看板。イエローセンターラインの意味、知っとるけ?*1

 サイクリストにとって初見のトンネルはかなり緊張します。国道55号、56号のトンネルの多くはコンクリート舗装されていて路面もきれいです。さらに言えば、長めのトンネルの多くには歩道がついています。歩道スペースのないトンネルには自転車歩行者用隧道が用意されている箇所も何箇所かありました。多分お遍路さんへの配慮でしょう。1200年経って空海がサイクリストを守護しておられる。ここは内妻トンネルです。

 薬王寺から次のお寺、室戸岬の突端にある最御崎寺まで76.6kmあります。コンビニなども海陽町までは数件あるものの、高知県に入ってからは皆無になります。ただ、山と海と空と風だけの世界になりました。

 この時、ちょうど北東よりの風が強め(風速10m/sくらい)に吹いていました。ですから、38km/hくらいで走ると完全に無風状態になります。タイヤの接地音とチェーンとギアが駆動する音、それから波音しかしなくなります。いわゆる「風になった」状態ですね。

 たいへん気持ちよく走っていましたが、お昼すぎて小腹が減ってきました。室戸岬まで行けば売店かコンビニか食堂みたいなものがあるだろうという目算でした。しかし東洋町から室戸岬までなにもない状態で、お昼が食べられませんでした。朝ごはんをたくさん食べておいて正解でした。そして室戸岬に到着。なにもなかった…

 室戸岬から太平洋を見ているのは中岡慎太郎ですね。大河ドラマの龍馬伝では上川隆也が演じました。

 室戸岬の山の上にあるのが第24番 最御崎寺ですが、海岸線の国道55号からつづれ折りで100mくらい上ります。室戸灯台より上にあります。正直キツかった。坂の途中から見た風景は太平洋そのものでした。

 坂を登ったあとにさらに階段を上がってようやく山門。正直キツかった。

 境内には「鐘石」と呼ばれる大きな石があり、小石で叩くと黄泉の国まで届くと書いてありました。打ち返してきらどうしよう!?

 最御崎寺の次、第25番 津照寺は割と近くにありました。ご本尊は虚空蔵菩薩です。

 そろそろ今夜の宿を決めておこうかと、googleマップで近場を探して電話をしました。この日、お世話になったのは民宿うらしまさんです。まったく無計画な旅です。

minshukuurashima.com

 このうらしまさんから歩いて30分くらいの山の上に第26番 龍頭山 光明院 金剛頂寺があります。ご本尊は薬師如来です。民宿に到着したのが15時ちょっと過ぎだったので、歩いてお参りさせていただくことにしました。

 けっこうな山道で途中で見る海がどんどんせり上がってくる感じがしました。

 ようやく本堂、その前に階段!

 民宿は広めのお部屋で、各部屋にTVもあります。コインランドリーと乾燥機が3台づつありました。自転車は喫茶店内に入れさせていただけました。感謝。

 食事は値段相応だと思いますが、ごはんのおかわりをさせていただけるので、サイクリストにはたいへんありがたいものですた。

 共同風呂ではありますが湯船にも浸かれて、ほんとうに静かでゆっくりとした時間が過ぎていました。

 翌日に続きます。

*1:もちろん、追い越し禁止ではないのだけど、ここ安全に追い越しできるような道幅ないです。あ、もしかして自転車に対して言ってるのけ?