あと20回しかない

ゆるっとふわっと九州(12)能古島

昨日からのつづき

 この日は福岡の街を観光をして、ゆっくりパッキングをしようと思っていました。ホテルの部屋で朝ごはんを食べてとりあえず外に出たら、同宿の若者(おそらく韓国人)がプロントンっぽい小径車で出発するところ。札幌を目指すといいます。よい旅を!

 近くの冷泉公園で今日どこへ行くか思案中。能古島なんていいんじゃないかな。劇中劇みたいな旅の中の小旅行。休日にサイクリングを!

 2025年5月27日(火)晴れ。4〜5m/sくらいの北よりの風。福岡市の最低気温は13.5℃、最高気温は23.5℃。5時間04分(バイクタイム2:11:15)35.40km。累積標高187m。data

 大濠公園、舞鶴公園。福岡市はまぶしいくらいの晴れ。こんなスッキリ晴れたのはこの旅では初めて。今日は桜島もくっきり見えるだろう。

 愛宕大橋から望む金屑川と室見川

 愛宕浜。気持ちよさそうなビーチです。

 能古島が見えました。見える、見えるぞ、VRではないリアルな目で!

 フェリー乗り場へ

 往復で440円、自転車は片道120円でそのまま乗せられます。これ、よく見ると福岡市営の渡し船なんですね。

 切符は乗船前に待機所で係員に渡すシステムです。

 この船に乗ります。

 いよいよ乗船。郵便局の人もこの船を利用します。

 乗船時、自転車もバイクも特に固定しません。

 おそよ2km、10分程度の船旅です。

 とうちゃこ

 能古渡船場に着岸しているフェリー。

 船着場のすぐ上にある檀一雄歌碑

「つくづくと櫨の葉朱く染みゆけど下照る妹の有りと云はなく」

 この歌碑は民家の裏庭といった風情の場所にあり、最初「あれ、間違えて人の家に入っちゃったぞ」と思ってしまうほどでした。家の方が「その小径の奥ですよ」と教えてくださいました。そして、銘文が読みにくかろうとコピーを持ってきてくださいました。ありがたい。*1

 一旦渡船場付近にもどり、地元のおかあさんが売っているかしわ飯のお弁当をいただきました。

 能古島の頂上付近に壇一雄の文学碑があるらしいので、行ってみることに。この時、時間もあったのだから島の北側からぐるっと周ればよいものをついショートカットしてしまいました。この日は普段着のまま出掛けてしまったので、本格的な登りで汗をかきたくないと考えてしまったんです。実際は同じくらい登って汗をかいてしまいました。この看板は「自然探索路・思索の森」というハイキング道で未舗装です。文学碑はこのすぐ奥にあります。

 壇一雄文学碑

「モガリ笛 いく夜もがらせ 花二逢はん」

 碑文は壇一雄の絶筆だそうです。糸島半島の小田浜に住んでいたころに妻律子を亡くし、妻をテーマにした連作「リツ子・その愛」「リツ子・その死」が書かれました。文学碑はその小説の舞台となった糸島半島を臨む場所に建てられています。

 自然探索路・思索の森の入り口に立っている石像。男女が背中を合わせているように見えます。

 バス通りを下ってその途中にある能古島博物館へ

 お隣の志賀島で見つかった金印(レプリカ)。国粋主義の立場だと印の真贋に疑問が出てくるってわけか。謎の多い品なんだな。

 別館には満州引き上げに関する資料などもあって、いろいろ勉強になりました。

 船着場には電動アシストのレンタサイクルもあって、これなら坂道もすいすいですね。

 能古島から見る福岡市街

 能古島、またね!

 来る時は満々とながれていた愛宕大橋付近の室見川はすっかり潮が引いて中洲であさりを取っている人がいます。通りがかりのおじさんに「あの人たちどっから入るんですかね?」と訊くと「向こう側の岸壁から降りられる階段がある」とのこと。けれど「こっちの川の方は小さいあさりしかとれん」とおっしゃっていました。

 一旦ホテルに戻り、中洲をふらふら歩いていると立ち止まらざるを得ないディスプレイ。バーの外壁なのですがしばし見入ってしまいました。

 まだ少し時間が早いですが、一蘭本店。東京でも食べたことがなく、初めての一蘭です。

 さらにぶらぶらして、ホテル近くの博多荘ラーメンで飲み始めました。

 ワンタン麺もいただきました。

 で、昼間にあのディスプレイのあるバーRBさんで飲みました。

 中洲には夜のおねえさんのための靴屋さんがあります。

 ぱ、パッキングもぬかりありません!

明日へつづく…

*1:不勉強ゆえのちに知ったが、この前週5/18(5月の第三週)は壇一雄の「花逢忌」でした。そして、来年は没後50年ですね