あと20回しかない

お遍路さん結願編! もうなんちゃってなんて言わせない(0)片雲の風にさそはれて

 個人的な好き嫌いの話で恐縮ですが、わたしは夏が好きです、冬は嫌い。だから冬の間はロードバイクには乗りません。昔は冬場にもよくサイクリングに出かけていましたが、服装や装備がめんどくさいし何より寒くていけません。そのかわりに、夏は35℃を越える熊谷へ行ってもへっちゃらです。5月になればだんだん暖かくなってきて、どこからともなく片雲の風が吹いています。「そういば、去年やり残した四国遍路を全部回ってしまいたいなあ」とかなんとか理由を見つけて、そそくさ準備を始めました。

野宿の装備

 まず最初に考えたのは、野宿をするかもしれないってことです。前回、ホテル探しにかなり苦労しました*1。四国にはお遍路さんの野宿のための東屋があちこちにあります。ほとんどの河川が清流で塩まみれの身体を拭くことができます。あらゆる駅舎が無人だし、道の駅ならトイレだってあるでしょう。もし、野宿をしなかったとしても「野宿の装備を持つ」ことの安心感は絶大です。野宿初心者のため、どんなものを揃えていいのかわからなくて、とりあえずアマゾンで安い寝袋マットを買いました。

 初心者の悲しさで、届いてみるまでリアルな実物感が掴めなかったんですが、結構大きくて重いんです。マットが721g、寝袋が1,693gでふたつ合わせて2,414gもあります。いい勉強だと覚悟して持っていくことにしました。

 あと、野宿をするんだったら虫対策もしなくちゃいけません。蚊取り線香と防虫スプレー、殺虫剤を用意しました。

 野宿の装備でツーリングするならば、ロードバイクでは無理だと考えました。なにより、前回のようにエアロスポークが折れてしまうようなアクシデントが発生すれば、スポーツバイクを修理してくれるショップに辿り着ける幸運は二度と起きないでしょう。

 なので、今回は普段乗りのRITEWAY SHEPHERD CITYでいくことにしました。荷物もある程度乗せられますし、泥除けもあります。フラットハンドルとフラットペダルでスニーカーのまま楽に走れます。サドルは純正のものを取り外し、皮サドルBROOKS B17にしました。チェーリングが3枚で坂にも強そうだし、なによりちょっとくらい壊れても街の自転車屋さんで修理をお願いできます。あと、ホテルに泊まる時なども保管場所に気を使わなくて済むのもメリットだと感じました。

 そうなるとリアキャリアに防水のバッグをつければリュックを背負う必要もなくて楽なのでは? ということで20Lのバッグを2つ用意しました。

 野宿をするってことは電源がないってことで、電源がないってことはスマホの充電すらできないということです。うちのSHEPHERD CITYにはバイク用のドライブレコーダーが取り付けてあって、これがまた電気大好きっ子なのです。

 ということで、携帯用ソーラーパネルを用意しました*2。最大5V/4A出力できて28W*3らしいです。アウトプットが2系統ついていて1系統だとだいたい2.4Aくらい。20,000mAhのモバイルバッテリーに3時間くらい繋いでおよそ70%充電できました。モバイルバッテリーをもうひとつ繋いで2系統つかうと、2.9Aくらいまで電流量が増えます*4

 モバイルバッテリーそのものに小さなソーラーパネルがついているソーラー モバイルバッテリー20,000mAhも用意しました。こちらの発電量は0.7Wで4日くらいひなたに当ててみたけれど、蓄電は5%以下でまるで発電していない模様。プラセボだねw

 今回、全部のせ装備で車体以外の荷物の総重量が15.6kgにもなりました。リアキャリアに12kgくらいが積載されていて車体を揺らすとキャリアが若干揺れます。坂道でダンシングなんてもっての他ですし、キャリアが折れたら同時に心も折れるでしょう。思わぬウイークポイントです。

出発の日

 今回のツーリングの全体像としては、フェリーに自転車を乗せて徳島まで行き、徳島の22ケ寺をまず順番通りに廻ります*5。それから香川県の88番 大窪寺から逆打ちで回って愛媛県の56番 泰山寺で結願です。今回参拝するお寺さんは54ケ寺で全体の6割にあたります。

 ロードバイクなら前回同様、福山まで行って新幹線輪行で帰れます。しかしこの大きな車体と荷物では輪行できません。かといって、徳島まで引き返すものなんだかもったいない気がします。しまなみ海道を渡って九州の新門司港からフェリーに乗って帰る計画としました。走ったことのない道はいつだってワクワクします。

 お遍路さんジャージを着て、有明のフェリーターミナルへ向かって出発です。

 5月9日(火)晴。3m/sくらいの東北東の風。東京の最高気温20℃。2時間39分(バイクタイム1時間59分)41.58km。

 オーシャン東九フェリー有明ターミナルにつきました。今夜の宿は「びざん」です。

 船上の甲板から見る東京の夕焼けです。

 ちょうどマジックアワーに出向しました。

 船内の自動販売機でカレーの缶詰を買って、持ち込みのおにぎりに掛けてたべました。

 船内に掲示してあった非実在お遍路さんのポスターを眺めつつ、太平洋の夜は更けてゆきます… 明日へつづく…

*1:それでも前回は全日程でホテル宿泊できました。もうコロナ禍も収まりつつあり、今年のGWには3年前並みの人出があったようです。

*2:ソーラーパネルってものをよく知らないで買ったんですが、ソーラーパネルってほんのちょっとでも影が入るといきなり電流量が落ちてしまいます。面積で10%くらい隠れただけなのに、2.4Aが0.5Aくらいになってしまう(これだとほとんど蓄電されない)。半導体の直列なんだから、発電していない部分は抵抗になるってことらしい。いろいろ触っているうちにわかったのは、この製品は4枚のパネルがそれぞれ別回路になっているっぽくてパネル単位で合算されるようです。だから4枚すべてが10%づつ隠れると0.5Aになってしまうけど、1枚だけが全部影になっても1.8Aくらい発電できました。

*3:あれ、ちょっと計算合わないけどまあいいか… 

*4:おそらく電流量はモバイルバッテリー側の流量にもよるんだと思います。

*5:前回、何気なく途中の23番薬王寺から始めたから、徳島県内はほとんどやれていませんでした。