あと20回しかない

これはヌケる! ヒラメポンプヘッド

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 ロードバイクに乗っている人以外は、これが何かわからない人も多いんじゃないでしょうか。これは空気入れの口金です。「KUWAHARA HIRAME ポンプアダプターヘッド 横型」といいます。自転車のタイヤの空気を入れるジョイント部分です。これ5,000円位するんです。正直わたし、空気入れの口金ごときに5,000円も出して自慢しちゃう人になってしまうとは思いませんでした!

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 何が違うかというと、抜きやすいんです。初めて試した時から「これはヌケる!」と一目惚れしました。空気を入れ終えた後、バルブからジョイントを引き抜く時にするっと抜けるんです。従来品は抜くときにレバーがパチンと指に当たったり、力の加減でスポークに手が当たってイタタ...になっちゃいます。ラテックスのチューブを入れていたりすると、毎回空気を入れる必要があって買いました。これでもう抜き放題です。

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 他メーカーは「抜きやすさ」に着目していないんでしょうか。ほとんどすべてのポンプヘッドは抜きにくいんです。外人さんはみんな抜き上手なのかな。もちろんMade in Japanの技術力が高いこともあるんでしょうけれど、「抜きやすさ」みたいなものに注目すること自体が日本人っぽいように思います。あちこちからもっと抜きやすい製品が出るといいなあ。

  ここでちょっと脱線しますが、Larry Wallが「日本文化はキュートであることを恐れない」*1みたいなことを言っていて、なるほど通じているかもしれないと思いました。アメリカ人的マッチョイズムは、力を入れすぎてちょっとぐらいバルブが曲がろうと、スポークが手に当たろうとそんなこと気にしてないぜベイベー、という文化でしょう。「それってちょっと痛いよねー」という確認ができ、その価値を共有できる土壌があるってことですよね。

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 こちらは取扱説明書です。コピーが汚い上に、何が書いてあるかよくわからないのですが、調節リングを緩めすぎてバラバラっと外してしまった時に嵌める順番などを参照してください。届いた時点である程度調整されていますが、チューブのバルブに嵌めにくかったり空気が漏れてしまうような場合は、パッキンの調整をする必要があります。調節リングを充分ゆるめてから漏れない程度まで締めるのが基本ですが、くわしくは下記のサイトを参考にするとよいでしょう。

 ちなみに、ホースバンドは近くのホームセンターで売っている既製品です。ヒラメ専用のホースバンドもあります。値段もたいして変わりません。バンドを締め込む時はドライバーじゃなくレンチを使う方がきちんと締められます。

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*1:「私が、日本文化について好ましく思うのは、キュートであることを恐れないという点だ。アメリカ人はキュートであることを恐れる。たぶん、それは弱さの表れだと考えるからだ。残念だが、この点に関してはアメリカ人は間違っていると思う」Larry Wall, Tom Christiansen, Randal Schwarts著 近藤嘉雪訳『プログラミングPerl 改訂版(2nd Edition)』(オライリー・ジャパン、1997年)