能登半島災害ボランティア&糸魚川-東京(3)ボランティア活動
昨日のつづき…
10月18日(金)〜20日(日)の3日間、石川県のボランティアとして活動させていただくことにしました。具体的には石川県災害ボランティアとして登録・応募して輪島BCを拠点にボランティア活動をしました。
9月21日の豪雨水害から1ヶ月が経とうとしていましたが、水害直後にひろゆきさんが輪島に入っている映像を見つけましたので、現状を踏まえる上で理解が深まると思います。能登半島のあちこちで同じような光景がいまも続いています。
10月18日 輪島市町野
40人乗りのボランティアバスが仕立てられ、金沢駅を早朝に出発して輪島BCに立ち寄り現地まで送迎してもらえます。道路は所々崩壊していたり、工事中だったりで片側通行を余儀なくされています。大型バスが遊園地のアトラクションのように揺れました。
現地ではボランティアセンターが開設されており、簡単なレクチャーの後スコップや一輪車などの資材を持って現場へ向かいます。この日は災害NGO結さんのお手伝いとしてボランティアに入りました。
この日はガレージ内の泥だしと片付け。その成果!
帰ったらお母さんに怒られるやつ(長靴からスニーカーに履き替えています)
世間では震災から10か月も経っているのにまだ家屋が潰れたままで遅々とし進んでいない現状を政治のせいにしたり、予算のせいにしたりしています。日本政府は何をしてるんだ? ってやつ。現地に入って一番最初に感じたのは人やモノが足りていないことです。もう、あらゆるところで道路工事は行われているし、河川の護岸工事や、崖崩れの工事や、上下水道や電気の工事、公費解体や住宅の屋根修理など、もの凄い数が行われています。でも全然追いついていません。片側1車線の国道249号も、県道1号もトラックとダンプが数珠繋ぎになっています。帯域が狭すぎて物流が追いついていません。屋根を直すにも重機を動かすにも職人さんの数は有限です。予算を10億円積み増せば職人さんが100人増えるわけじやありません。どこの家も公費解体や修理を待っています。崖崩れや道路の補修の優先順位が高いのかもしれません。どこかの万博でこういうリソースが使われているとしたら、相当に間の悪いタイミングだと思います。
輪島BC周辺にはレストランもコンビニもありませんが、学校の食堂を利用させていただけます。*1
10月19日 能登町
あーさーーっ!(雨の中の朝焼け。東は海なので遮るものがなくて雨の降っていない海域に陽が登っています)
6:30に開店する学食に駆け込んで朝から大盛りごはんです。
昨日行った輪島方面はちょっと雨が降るとボランティアバスが出ません。ちょっと前に雨で崖崩れ(恐れ)のため道路が通行禁止になりボランティアが帰れなくなった事故があったそうです。それ以来、雨の日はボランティア中止です。
今日行ったのは能登町の内浦で、こちらは雨に関わらずボランティアできました。内浦のボランティアセンターで職員さんと話をさせていただきました。震災ボランティアが1年を目処に規模を縮小しつつあった矢先の水害で、ボランティア受け入れ側もだいぶ折れてしまったと。交代なくずっと同じ顔ぶれでやってきて、もうあと少しという希望が潰えてエンジンを再始動させるためにすごく疲れたというお話しでした。もう、掛ける言葉もありません。
この日に入ったお宅は震災で手放された家を購入したらしく、その家の片付けをしてほしい家主さんでした。(ネガティブなことはあまり言いたくないのですが)本来、ボランティアの役割を超えているケースです。もうすでに10回以上ボランティアが入っていましたが、相当な量があるためなかなか終わらず、家主側も不満をもっているようでした。厳密な審査をすればこういった利用も防げるかもしれませんが、復興の進捗優先ということでしょう。私たちも仕事としてお金を稼ぎに来ているわけじゃなく、大きくみて能登の人のためになるなら… という感じでボランティアさせていただきました。
話は変わりますが、輪島BCの寮のお風呂は銭湯並みに大きくて気持ちいいのです。雨に濡れて凹んだ気持ちもすっかりほぐれました。この日の学食の夕飯も大盛りです(高校球児が白米をたくさん食べられるように味付けがちょっと濃いのです)。
10月20日 珠洲市
日曜日は学食がないので、輪島BCの受付横にある物資で朝食にしました。
今日はボランティア最終日で珠洲に入りました。水害で家の裏の斜面が崩れてしまったお宅です。ぬかるんでいない泥を土嚢につめて簡易な擁壁としました。
ここのお母さんがたいそう気を遣っていただいて、昼食を用意してくださいました。私たちボランティアはなにかの見返りを期待しているわけではありませんが、こういう心遣いをいただくと本当に嬉しくなります。おいしいちらし寿司と豚汁でした。
ボランティアバスが出発する時、ボランティアセンターの職員さんたちは必ず手を振ってお見送りしてくださいます。彼らの仕事は無駄なく無理なくそして気持ちよくボランティアを終えて貰うことです。復興がひと段落した後、ボランティアは観光客になってくれるだろうからです。こういう心尽くしも将来の能登の復興なんでしょう。ボランティアってひとくちに言ってもさまざまな価値観を持った人がやってきます。善人ばかりの国はありません。ほんと、頑張ってやっていらっしゃるなあ。彼らは被災者でもあってもっと労われていい人たちです。
夜も学食がないため、ボランティアのために笹寿司(shibazushi)さんからお寿司の差し入れいただきました。笹の香に包まれた押し寿司はほんとうに美味しかったです。ありがとうございました。
ともあれ、三日間怪我なくトラブルなくボランティアを終えられました。おつかれ俺ちゃん、カシュ(缶ジュースの音。ベースキャンプ内は禁酒のため)。
いろいろなものをいただいて、胸が(おなかも)いっぱいになって明日へつづく…
*1:施設内の写真をSNSなどにアップすることに制限があります。学食内の風景は載せられず、実際にいただいた夕食をごらんください