あと20回しかない

お遍路さん結願編! もうなんちゃってなんて言わせない(8)アジアンマイクロバス

…前日からのつづき

 マイルドホテルさんの朝食は朝6時からでした。きょうは夕方から雨の予報です。

 出発時にホテルのお接待でおにぎりいただきました、ありがたし! 「ひとつでは足りません」と言えなかった。

 5月18日(木)曇りのち雨。午前中は2m/sくらいの北西方向の風、午後は2m/sくらいの北東方向の風。四国中央市の最低気温17.4℃、西条市の最高気温23℃。--時間--分*1(バイクタイム4時間17分)66.92km。累積標高424m。data

 四国入ってときどき目にするもの。電柱を支える支線と呼ばれるワイヤーの途中に返しがついています。お猿さん返しなのかと思っていましたが、お猿さんなら電柱をそのまま登った方がよさそう。今調べたら、これは蛇返しなのだそうです。

 新居浜の国領川にかかる国領橋からの風景です。国道11号の旧街道は走りやすくてのんびりと走りました。山々が幾重にも重なって美しい風景です。

 旧街道には古いアーケードの商店街もありましたが、ほとんどのお店は廃業されシャッターが閉まっていました。こうした商店街を衰退させる要因となったスーパーや巨大な大型商業施設が経営的な危機に陥る現在、複雑な心境です。

 64番 前神寺。あれ、なぜか前神寺の写真なくて今頃焦っています。あ、ご滝不動の動画ありました。

 前神寺を出て「さあ、ここからまた登るぞ」と思ったところでサングラスが折れました! 俺の心が折れる前に…

 逆打ちしているわけですから、64番 前神寺→63番 吉祥寺→→62番 宝寿寺→61番 香園寺→60番 横峰寺という順序で廻るべきです。しかし、夕方から雨予報がでていますから、横峰寺を最後にするのはちょっとリスクがあると考えました。最初に横峰寺へ参拝し、伊予小松あたりに宿をとって、廻れるだけまわりって雨が降り出したら明日徒歩で参拝してもいいようにしました。

 横峰寺へは黒瀬ダムから参拝バスが出ています。前神寺からだと、少し西へ走って県道142号線から登るのが近道でしょう。けれど、少し東へもどって県道12号線(西条久万線)で黒瀬ダムのを見ながら緩くのぼるコースを走りました。思った通り気持ちのいい道で、地元のロードバイクが何台も走っています。行き違わないところを見ると黒瀬ダムの周遊コースになっているのかもしれません。風景もよく道もきれいです。

 マイルドホテルさんでいただいたおにぎりを食べました。中身は梅です。運動会の味がしました。思えばぼくが子供の頃はおにぎりなんて売っていなかったな… (ショーワ! かむばーーーっく!!)

 せとうちバスの上の原停留所につきました。googleマップのクチコミでは「バスが出発しない」だの「従業員の態度が悪い」だの散々な言われようで、果たして無事にバスに乗れるのかどうかおっかなびっくりで建物内に入りました。

 「11時くらいからだね」とチケット売り場のおじさんは言いました。時計を見ると10分後です。そう、決して定時運行はしていませんし、待合の奥で運転手さんがタバコをふかしていましたが、きちんと誠実なお仕事をされているように見えました。考えてみれば、ある程度乗客が集まってから出発するのは当たり前なことでしょう。というより、バスの世界標準です。

 マイクロバスにお遍路さんのステッカー。

 6人あまりの乗客を乗せて走り出したマイクロバス。バス1台分しかない細い道をくねくね登っていきます。おっと、いきなり対向車、少し下がってすれ違います。カーブミラーがありますが、よく見えるとは言い難いものです。さらに、向こう側の不注意で突っ込んでくることもありそうです。うなるディーゼルエンジン、はらはらどきどき、へたなジェットコースターより怖いです。悪路をものともせずに走るマイクロバス、まさにアジアンマイクロバスです。乗用車で参拝しようと登っていくドライバーさん、絶対後悔しますね。動画撮ってみたけど、ちょっと迫力足りていません。他の動画探してみて!

 やっと尾根の駐車場につきました。ここから5分くらい歩くようです。20分くらいしたら出発すると運転手さんは言いました*2

 60番 横峰寺。十数年前まではバスもなく2時間以上歩いて参拝していたようです。八十八ヶ所中一番の難所と言われていました。冬場(12月末より翌2月末)には路面が凍結して参詣できないそうです。

 

 横峰寺の駐車場の売店横にあったひまわりの種。人に懐いてるヤマガラがいるそうです。

 63番 吉祥寺。

 吉祥寺の山門前にはサイクルスタンドが! ぼくの自転車はさすがに架けられませんけど。

 吉祥寺境内の鉢に浮かぶ小さな蓮。

 62番 宝寿寺。「あれ、山門が…」と思って南側に回ってみましたがない。以前は伊予小松駅のホームあたりにあったそうです。

 61番 香園寺。巨大で近代的な本堂です。本堂は脇階段から入れますが、内部は椅子席で県民文化ホールといった趣でした。

 13:30、今夜の宿である小松ビジネス旅館に到着しました。ビジネスといっても個別のユニットバスはないですし、お客さんもお遍路さんばかりで実質的には遍路宿ですね。奥に新館があり、築浅で清潔な感じがしました。

 チェックインまでちょっと時間があったので、荷物だけ置かせてもらって自転車で5分くらいのところにあるマルナカ氷見店まで行きました。ふと、お昼ごはんが朝いただいたおにぎりひとつだけだったのを思い出して「こがね製麺所 西条店」でうどんにしました。四国に入ってからランチのうどん率高めです。サンプル数少なすぎだけど外れなく美味しい。東京でお店を出せばどこも繁盛すると思います。だけど都内の「讃岐うどん」を標榜するお店は少し斜に構えたところがあるんじゃないかな。あるお店ではコシを強調するあまりガチガチで噛みきれないお店すらあります。そういう尖ってるのはいいんだよ、こういう普通なのがいいの。

 あ、普通の讃岐うどん屋さんって丸亀製麺のことじゃん、なっとく。

 夕飯の調達をしようと隣のスーパーに入ろうとしたら、養蜂箱が転がってしまったらしくて、自転車に蜂が群がっていました。お買い物の帰りにはもう蜂がいなくなっていたので、養蜂家のおじさんのテクでしょう。

 いま、ブログを書き起こすにあたってスーパーの場所を確認しようとして、Googleマップを開いてみたのですが「あれ? スーパーないぞ」と思ってしまいました。よく探すと自分の思っていた方角の反対にマルナカはあったんです。記憶の中では旅館から東の方角にあると思っていたのに、実際に西の方角にあります。自分なりに考えてみたのは、ずっと太平洋側にしか住んだことのないぼくにとって、山の見える方向はだいたい北で海は南にあるものでした。ですから、脳が勝手に勘違いして山側を左手に見ている状態は東に向かっていると思ってしまったのかもしれません。この何日か、香川から愛媛を走っている間、どうも方向感覚がおかしくてどっちに向かっているのか混乱していたんです。

 街角の古いタバコ屋さん。自動販売機の220円はなんだろう? マイルドセブンが220円だった時代って昭和よね。

 そして予報通り夕方から雨が降ってきました。小松旅館さんには雨風がしのげるようなひさしのある駐輪場がありません。旅館の人も「自転車なんだからそんな気にしなくても」みたいなノリです。しょうがないので、ちょっと斜向かいにある日本キリスト教団 伊予小松教会の牧師様にお願いして、駐輪場を貸していただいました。お遍路さんの「南無大師遍照金剛」ジャージを着て教会を訪ね、不躾なお願いをする仏教徒をどうかお許しください、神よ!

(祈りながら)明日へつづく…

*1:Cyclemeterを完了し忘れていたため合計時間が正確ではありません

*2:先発のマイクロバスが何台か停まっていて、乗り遅れた乗客をお互いに融通しあっているようでした。